最近では当たり前となった自動車査定、しかし具体的に説明するとなると少し難しいものです。ここでは普段あまり気にしない、自動車査定とは何か、について説明します。

査定とは調査の上でそのものの金額やランク、または合否などを決定することを意味します。つまり自動車査定とは、ある基準にそった客観的な審査によって自動車の買取価格や商品価値を提示・決定するシステムであるといえます。この買取価格に納得すれば自動車を売却するこということになります。なぜこのようなシステムが生まれたのか、これには中古車市場の確立と大きな関連性があります。

中古車市場が確立されはじめたのは1970年代のことですが、当時は高度経済成長期にあり、人々は新車を購入する機会が多い時代でした。そのような時代に自動車製造メーカーが中古車を買い取り、自社で販売したり、または一部の販売しきれない車に関しては、ブローカーを通じて一部の独立系中古販売業者に流通させるなどしていました。このようにして次第に中古車市場は確立されていき、中古車を買い取る際に自動車査定によって業者が価格を決定するというシステムが出来上がっていきました。

その後昭和54年4月に通商産業省・運輸省の指導のもと「中古自動車査定制度」がスタートし、一定の基準による適正な自動車査定の普及がはかられるようになりました。中古車市場がその勢いを増したのはバブル景気崩壊後のことになります。不景気の煽りを受けて、中古車の需要は新車を購入する余裕のない世帯を中心に高まり、買取業者・中古車販売業者も増えていきました。また、程なくしてインターネット技術が普及し、これらを利用したサービスを拡充していくことで中古車市場も急成長を遂げていきました。このような要因により、現在では当たり前となった複数の業者への査定依頼や自動車を売却する業者を選択できるなどの仕組みが出来上がっていったのです。2000年以降にはインターネット上での無料一括査定を始めとするサービスが普及したことで、より手軽に自動車査定の依頼・売買が可能になりました。

このように、これまで下取りが当たり前となっていた時代とは違い、自由に売買をすることでより高い価格で車を売却することが出来る、それが自動車査定なのです。自動車の平均寿命は約11年程度と言われており、長く利用する人にとって自動車の買い替えは必ずしなければならないことです。その際、少しでも高く車を売ることで新車購入の資金にしたり、廃車にする場合も売却して資金を得られるのなら、そちらのほうが良いと誰しもが思うでしょう。そのために自動車査定があるのです。